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教員の留学体験記について

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教員の留学体験記について(2018年7月31日執筆)

 アリゾナといえば何を連想するだろうか-サボテン、西部劇、灼熱の砂漠、広がる荒野。ほぼその通りで間違いないが、あまり知られていない魅力的な部分も多い。かの有名なグランドキャニオンはアリゾナにあるし、赤い岩山と緑の木々が美しいセドナも人気の観光地となってきた。モニュメントバレー、アンテロープキャニオン、メテオクレーターなど美しい自然も数多くある。アリゾナは合衆国に加入してまだ100年程であり、古き良き文化も残っている。一方、都市部は開発が進行中であり近代的な真新しいビル群が立ち並ぶ。特に州都のフェニックス近郊は大変栄えた街で水辺もあり、退職した人々が余生を過ごすために移り住むほど過ごしやすく魅力的な場所となっている。
 1つ目の写真はアリゾナ留学中にPetrified Forest National Park(化石の森国立公園)に自分で運転して旅行した時に途中のRoute 180で路肩に自動車を止めて撮った写真である。大地の果てまで伸びる一本の道路。これがアメリカのスケール感だ。2つ目の写真はアメリカ滞在中に金髪にチャレンジしたものだ。これまで髪を染めたりしたことはなかったがやってみた。何でもやれることはやる-これが留学するにあたり掲げたモットーだ。そして3つ目の写真は留学先の研究室のメンバーで撮った写真だ。この留学記に載せた写真は全部で1800枚以上ある。その一つ一つが大切な思い出だ。
 京都工芸繊維大学のスーパーグローバル大学創成支援事業の一環として、2017年4月から2018年3月までのちょうど1年間、アメリカのアリゾナ州立大学のSchool for Engineering of Matter, Transport and Energy (SEMTE)のDavid Nielsen准教授(以降、Dave)の研究室に留学した。米国に行くのは留学前の下見に行った1年前の機会以外は初めてであり、また、同研究室に所属する日本人は初めてであったことからアメリカ文化を満喫できたと思う。時折、寂しさを感じてはいたが、それを紛らわすべくアメリカ国内外へ旅行にも多々出かけた。ここに記す留学記はFacebookに毎日1回ずつ投稿した旅の日記でもある。これを365日分をアップしたものだ。これから先、アメリカに留学する予定の方にとって、また、それ以外でも海外生活を存分に楽しみたい方にとって役に立つことを願っている。
 そもそもアメリカ留学を決めたのは、英語力の向上を第一の目的としたからである。そして何よりも、微生物でバイオプラスチックの原料生産を行っている自分と同年代の若手研究者の研究室に留学したく、たまたま目についた関連論文の著者であるDaveに「受け入れてもらえないか」とドキドキしながらメールをした時に「Great!」の二つ返事で快く受け入れてくれたことが大きな理由である。学生時代、「アメリカに若いうちに行け。日本の小ささがわかるから」と先生に言われたことをよく覚えている。「井の中の蛙大海を知らず」ではこの先、研究者として伸びしろは限られるだろう。大海に飛び込んだ時にどうなるか、試してみたい気持ちもあった。結果はどうなったのかまだわからないが、きっとこの留学が人生の大きな糧となることは間違いないだろう。アメリカから帰国して4か月。Daveは明日から3か月間、京都工芸繊維大学で国際訪問研究員として過ごす予定だ。逆にDaveが日本に来てくれることになったことを考えると留学も成功したと言えるのかもしれない。明日は早起きしてDaveを京都駅まで迎えに行く。久しぶりに友人に会えるのが楽しみだ。  


→ 教員の留学体験記(2017年4月~2018年3月@アリゾナ)へ

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